2015.01.19:画像の差し替え/2014.11.25:古くなった情報を修正

DVDをコピーして、おまけに2層分(約8GB)の映像を1層分(約4.7GB)に圧縮してくれる便利なフリーソフト、「DVD Shrink」の解説2ページ目です。(1 ページ目はこちら)

DVD Shrink起動画面 (画像には英語版DVD Shrinkを利用しています)
DVDのコピーができるフリーソフト、DVD Shrink
▲クリックで拡大 (※日本語化された画像はこちら)
DVD Shrinkはフリーソフトながら様々な機能を備えており、DVDのコピー・バックアップを行う際、圧縮率の設定や 余分な音声・動画の除去を行える機能が付いています。

以下、このページではDVD Shrinkを使ったDVDのコピー方法をかなり詳しく解説していきます。

サイト内 DVD Shrink 関連ページ

(前ページ) DVD のコピーが出来るフリーソフト、DVD Shrink
(前ページ) DVD Shrinkのインストール方法

このページの内容

※以下リンクはいずれもこのページ内を移動します。
注意: 2012年10月1日から著作権法の一部が改正されます。「技術的保護手段」が施された市販DVDのコンテンツを複製する行為は、個人用途や家庭内利用の範囲から外され、違法となります。
  • Discの複製・変換を行う場合は、自作DVDや家庭用ビデオカメラで個人的に撮影したデータなどで利用するようにして下さい。

 

はじめに: DVD Shrinkが起動しない、エラーが出る場合

Windows7・8環境では、DVD Shrinkが起動しなかったり、リッピング中にエラーが出る場合があります。この場合、DVD ShrinkのDEPを無効にしたり、XP互換モードで作動させる事でエラーを回避する事が可能です。
詳しい手順は、以下のページに記載しています。
DVD ShrinkがWinows7で起動しない・エラーが出る場合の対処方法

 

ここからがこのページのメインです。
以下、まずは各種「設定メニュー」の機能や設定方法から解説していきます。

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「各種設定」メニューを開く

初めてDVD Shrinkを起動した際などに、以下のメニューを開いてDVD Shrinkのコピー設定を変更しておきます。

詳細設定メニューへのアクセス
フリーソフトでdvdをコピーするための各種設定に必要な操作
▲クリックで拡大 (※日本語化された画像はこちら)
DVD Shrinkを立ち上げたら、まずはメニューバー>[Edit]>[Preference]メニューを開き、DVD Shrinkの各種設定を行います。

各種設定タブ

DVD-Rの容量を指定してフリーソフトでコピー
(※日本語化された画像はこちら)
DVD Shrinkは、主に2層式DVDの映画を1層式DVDメディアにコピーする用途で使われます。

  • DVDメディアは4.7GBを指定します。(8.5GBのメディアにコピーするなら、別のコピーソフトを使用するのがお勧めです)
  • 「マルチタスクを優先する」チェックを外すとDVDのコピーは高速に行えますが、その間PCはDVDの解析、コピーに集中し、他の作業を行う事が困難になります。チェックした状態にする事をお勧めします。

 

プレビュータブ

DVDコピーの際のプレビューを設定
(※日本語化された画像はこちら)
DVDの映像、音声を「DVDShrink上で再生」する条件を設定します。
DVDコピーの品質に影響は無いので、どのような設定にしても構いません。

出力ファイルタブ

フリーソフトで出力用の設定。コピーの方法を指定。
▲DVDを解析し、出力する際の設定です。 (※日本語化された画像はこちら)

  1. マクロビジョンプロテクションの除去
    ...マクロビジョンプロテクションとは、VHS等ビデオテープにダビングしようとした際にスクランブルがかかりコピーできなくする機能です。この機能を意図的に外す事は著作権法に違反します。チェックを外して無効にしておきましょう。
  2. P-UOPsの除去
    ...チェックオンの場合、再生時に操作が禁止されている部分で操作可能になります。
    具体的には、「DVD再生時、最初の十数秒はロゴなどが表示され、ボタン操作が無効な部分」などに使われている機能を無効にします。
  3. layer breakの除去
    ...2層式DVDの1層目、2層目のつなぎ目をスムーズに再生してくれるようになります
  4. VOBファイルを1GB単位で分割する
    ...(推奨)とありますが、「絶対」チェックを入れましょう。DVDプレイヤー、PC等の環境によっては再生が出来なくなってしまいます。
  5. 有効にしたストリームの論理的リマッピング
    ...字幕を除去したり、特典映像を除去したりした場合、DVD内部のメニューの順番を整理しなおします。
    チェックした方が良いと言う人、そのままの方が良いという人、それぞれいます。好みで設定します。

ストリームの選択タブ

DVD Shrinkのコピーするストリーム選択設定
▲ストリームの選択。 (※日本語化された画像はこちら)
2層式のDVDの容量を1層式に圧縮する事が目的の場合は、極力データは少ないほうが良いでしょう。複数の音声や字幕が入っている場合、残したいの言語を指定します。音声や字幕を全て残したい場合は「全ての言語」を選択します。

ファイル I/Oタブ

フリーソフトのファイルのコピー用I/O設定の画像です
(※日本語化された画像はこちら)
初期設定のままでもかまいませんが、私の場合、個人的な好みで上記設定で作業を行っています。

  • 上手く作動しない場合は、「非同期 I/O を有効にする」「32KB ブロックの読み込み」のチェックはオフにしてみましょう。
  • 「Neroの設定」はOFFにしましょう。DVD Shrinkは非常に古いツールで、対応する書き込みツールは非常に稀だと思われます。
    (Nero のライティングツールを持っている場合は、チェックを入れると利用できるかもしれません。。。)

 

実際のコピー手順はここから

以上で最初に行う「各種設定」の説明は終了です。
次項からが実際にDVD Shrinkを使ってDVDをコピーする方法の解説です。

DVDコピーの手順

Tips1
まず初めに、コピーしたいDVDをパソコンのDVDドライブにセットし、10数秒で良いので再生しましょう。DVD Shrinkでの読み込みの失敗が少なくなります。

Tips2
どうしてもDVD Shrinkが映画DVDを読み込んでくれない場合は、DVD Shrinkがその映画DVDに対応していない場合が考えられます。別ソフト( AnyDVD HDなど) で一旦PC内に保存します。

コピー・圧縮の前準備:DVD解析

まずはコピー元のDVDを指定します。
DVDメディアを直接指定したり、DVDFabなどで読み込んだフォルダ形式のファイルが読み込めます。
(ISO形式の場合はそのままでは読み込めません。一旦マウントして読み込みます)

読み込み手順
コピー元のドライブをフリーソフトで指定。
▲クリックで拡大 (※日本語化された画像はこちら)
1. [Open Disc」や[Open Files]を選択し、
2. DVDドライブやISOファイルを指定

自動的にDVDの解析が始まります。
DVDの解析処理中
▲クリックで拡大 (※日本語化された画像はこちら)
大抵の場合2~3分で終了します。

解析終了後
フリーソフトでも簡単・キレイにコピー出来ますが、容量に気をつけます
▲クリックで拡大 (※日本語化された画像はこちら)
解析終了後、各メニューのファイル容量が表示されます。
画面上部のバーが全部緑色になっている場合は、前項の [各種設定]で指定したDVD-Rに収まるサイズに圧縮設定が出来ています。
赤色のバーが見えている場合、指定したDVD-Rのサイズをオーバーしています。

メニューや特典動画などを全てコピーしたい場合は、バーが緑色になっている事を確認し、「バックアップ」ボタンを押してDVDのバックアップを開始します。
バックアップの解説部分へジャンプ

ムービーの圧縮率を変更する、字幕や音声を選択する

フリーソフトでも簡単・キレイにコピー出来ますが、容量に気をつけます
▲クリックで拡大 (※日本語化された画像はこちら)
上記のような操作をする事で、DVDの圧縮率を変更する事が可能です。
 ・不要メニューや特典ムービーの音声・字幕のチェックを外し
 ・不要メニューや特典ムービーをスティルピクチャーに変更し
 ・メインムービーの余分な音声・字幕のチェックを外し
 ・メインムービーの画質が上がるよう圧縮率を下げる

というような手順を、お好みで設定します。
メニューや特典ムービーは完全に削除したい場合は、以下の手順を行います。

映画本編だけでも、出来るだけ綺麗に保存したい場合

本編動画だけで良いので、出来るだけ高画質に1枚のDVD-Rに収めたいという場合は、DVD Shrinkの[再編集]ボタンを使います。
再編集ボタンでコピーするファイルを個別指定します。
▲クリックで拡大 (※日本語化された画像はこちら)
1. メニューボタンの「再編集」を選択
2. 目的の動画を「右クリック」≫「追加」
左側のリストに登録された動画のみがコピー対象になります。
大抵の場合、「メインムービー」の部分のみでOKです。

注意
再編集モードを使うと、タイトルメニューは正常に作動しなくなります。
再編集モードを使うと、タイトルメニューは正常に作動しなくなり
▲DVD Shrinkの警告画面 (※英語版のスクリーンショット失念)
メニュー画面を残したい場合は、「フルディスク」モードを使うようにしましょう。

不要ファイルの削除
DVD Shrinkの不要ファイル削除、操作中画面
▲クリックで拡大 (※日本語化された画像はこちら)
登録した動画から、不要な音声や字幕ファイルのチェックを外します。
1. [圧縮設定]タブを選択
2. 左サイドの動画タイトルを選択
3. 選択した動画タイトルから、不要な音声や字幕ファイルのチェックを外す

複数の音声や字幕が存在する場合などは、英語音声+日本語字幕、日本語吹き替えのみ、または両方入れる・・・など、個人の好みで設定します。

一連のこの作業は、(DVDの圧縮を目的としない場合は)他のDVDコピーソフトを使ってもOKです。
フリーソフトではDVD Decrypterなどが有名です。

DVDのコピー、バックアップの設定

ここまででDVD Shrinkを使ってDVDをコピー、バックアップする準備が整いました。
いよいよバックアップの開始です。

コピーした後のバックアップ先をフリーソフトで指定
▲クリックで拡大 (※日本語化された画像はこちら)
「バックアップ」ボタンを押し、保存先を決定します。
※画像はHDDにフォルダ形式 (VOBファイル) として保存したい場合の設定です。

ISOで保存したい場合
DVDのコピー先、ファイルタイプを指定
(※日本語化された画像はこちら)
ISOで保存したい場合は、上記の様に出力先に「ISOイメージファイル」を選択します。

以下で、その他のタブメニューについて説明しています。

その他のタブメニューの設定

リージョンコード設定
コピーした動画のリージョンコードを、フリーソフトで決定
▲リージョンコードを設定します。 (※日本語化された画像はこちら)
「リージョンフリー」にチェックを入れると、世界中どこの国のDVDプレイヤーでも視聴可能です。
日本国内のみで視聴する場合は「2」にチェックを入れてもOKです。

変換時の品質設定
フリーソフトでdvdのコピー品質を設定
DVDコピーする際の品質を設定します。 (※日本語化された画像はこちら)
(圧縮しない場合は、この項目はグレーアウトします)

  • 「Perform deep analysis before backup to improve quality.」
    「品質を向上させるため.バックアップ前に詳細な分析を実行する」

    いわゆる2Passエンコードです。
    チェックを入れると、コピー、バックアップの時間が10分~1時間程度長くなります。時間が掛かった分、保存する動画も若干キレイになります。
  • 「Compress video with high quality adaptive error compensation」
    「高品質適応性エラー保障機能を使用してビデオの圧縮を実行する」

    チェックを入れると、画質設定が可能になります。普通は「シャープ(デフォルト)」を選択すれば十分です。圧縮率を上げ画質を落とした場合は「スムーズ」を選択します。

 

オプション設定
フリーソフトのコピー用のその他のオプションです
▲オプション設定 (※日本語化された画像はこちら)
DVDコピー、バックアップ中に別の作業をするならば、「バックアップを低優先モードで実行」にチェックを入れます。何も作業をしない場合は外しても良いでしょう。
「バックアップ終了時にPCをシャットダウンする」にチェックを入れると、コピー、バックアップ終了時に自動的にPCの電源が落ちます。

書き込み設定
書き込み設定
▲オプション設定 (※日本語化された画像はこちら)
コピーするDVDのボリュームラベルを変更できます。

 

DVDのコピー、バックアップを行う

ここまでで全ての設定が終了しました。「OK」ボタンを押すとDVDのバックアップ、コピーが開始されます。

圧縮中の画面
フリーソフトのコピー中の画面はこのようになっています
▲クリックで拡大 (※日本語化された画像はこちら)
PCの性能によりますが、2時間の映画の場合でも20分~40分でコピー出来ます。「品質を向上させる」オプションを選んでいると、さら20分~40分程、余分に時間が掛かります。

コピー終了時のメッセージ
コピー終了時のメッセージ
▲クリックで拡大 (※日本語化された画像はこちら)
このようなメッセージが出ます。
メッセージ中に表示されたフォルダにアクセスすると、コピーしたDVDのファイルを見ることが出来ます。

コピー終了
フリーソフトでコピー完了後のファイル一覧です。
▲クリックで拡大
▲出力先を「ハードディスク」に選択すると上記の様になります。
ISOイメージ」を選択していると、ISOファイルが1個出来上がって完成です。

DVDのコピー、バックアップ無事完了です。
あとはお手持ちのDVDライティングソフトでDVD-R等に焼き込めばDVDのコピー、バックアップは完了です。

以上でDVD Shrinkの詳しいコピー方法の解説は終了です。
以下はおまけ情報です。

DVD-Rに焼き込む際の注意

注意
フォルダ形式で出力したDVDコピーデータを、このままでDVD-R等に焼き込むと、「PCでは再生できるけれど、DVDプレーヤーでは再生できない」と云う事象が発生する場合があります。

詳細はコチラ→PC で焼いたDVD-RがDVDプレーヤーで見れない時、考えられる原因は何か?

おまけ:DVD Shrinkの圧縮の概念

DVDShrinkはフリーソフトでありながら、非常に高速かつ綺麗にDVDの動画部分を圧縮し、コピー、バックアップしてくれます。その仕組みを簡単に説明します。

普通のエンコード
一般的なフリーソフトのコピーの概念です
▲概念図なのでやや乱暴な説明なのですが、普通にDVD映像の容量を約半分にしようとすると、一旦映像を再生し、その映像を解析しなおして圧縮します。これにはかなり時間がかかります。

DVD Shrinkの場合
フリーソフトのdvdシュリンクのコピーの概念です
▲DVDShrinkは、映像のデータをデータ量が「増えた」「減った」を主に解析し、動きの大きい部分、少ない部分を予測し、データ量を少なくしても大丈夫な部分を推測して圧縮しなおします。普通の方法に比べ恐ろしく高速に、ほぼ遜色なくデータを圧縮できます。

DVD Shrinkは、主に画面上で動きの少ない部分を中心にデータを圧縮していきます。

 

サイト内 DVD Shrink 関連ページ

DVD Shrinkの限界

DVDShrink は非常に効率的な動画の圧縮を行いますが、圧縮しすぎると動画はブロックノイズだらけになってしまいます。特に、動きの少ない部分・・・夕日を映し出したり、雲がゆっくりと流れて行くようなシーン等、自然の美しさを表現するようなシーンで壊滅的に映像が汚くなります。(DVD Shrinkはビットレートの少ないシーンを優先して圧縮するため)

コピーした動画をPCやモバイル機器等で再生する事が目的の場合は、別のツールで圧縮したほうが良い結果が得られます。(有名な所ではHandbrakeなど)

また、最近のDVDには、DVD Shrinkでは認識できないタイプのものも出回っています。
DVDShrinkは非常に優れたDVDコピーできるフリーソフトですが、保存目的別に、他のコピー・リッピングツールと使い分けを行う事も必要です。

冒頭でも書いていますが、市販DVDの多くは著作権法で保護されており、コピーが禁止されていたり、使用用途が限られています。市販DVDの複製は私的用途でも違法となります。また、配布、交換、売買等を行うとこれらを行うと更に重大な違法行為になります。