VLC 3.0 Vetinari

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2018.02.25: v3.0.0 新機能紹介に変更

2010.07.11: 初出(v1.1.0 新機能紹介)

2018年2月9日にリリースされたVLC media playerの最新版「バージョン 3.0.0」の新機能を紹介したページです。

VLC media player 3.0.0 では、4K・8K動画のハードウェア再生支援がデフォルトで有効になり、またHDR動画の再生もサポートされ、Chromecastのストリーミング再生にも対応しました。

VLC media player 3.0.0 の公式特設サイト

VLC 3.0 Vetinari - VideoLAN

ライセンス:
 フリーソフト(寄付歓迎)
作動環境:
 Windows: XP ~ 10
 Mac OS: 10.7 ~ 10.13
 iOS: 7 ~ 11
 Android: 2.3 ~ 8.1

バージョン 3.0.0 の主な新機能

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VLC 3.0 のデモムービー

VLC media player の開発元 VideoLAN が、以下のようなムービーを公開しています。

Android Galaxy S8
H.265/HEVC 8K60P 360度ムービーを再生 (48fps)

VLC 3.0 のデモムービー2
VLC 3.0 playing 8K 48fps 360 video on Android Galaxy S8 on Vimeo
思ったよりスムーズに再生できています。
まだ操作にはスワイプとピンチイン・ピンチアウトが必要な感じですが、デバイスの傾きや向き・方角に対応してくれたら面白い再生が出来そうです。

Windows 10 + Core i7 内蔵GPU
H.265/HEVC 8K60P 360度ムービーを再生

VLC 3.0 のデモムービー1
VLC 3.0.0 playing 8k60 on Windows 10 using i7 GPU on Vimeo
内蔵GPUで H.265/HEVC 8K60P 360度ムービーの再生がこの滑らかさです。

8K動画なんてフル再生できるモニタが現実的な価格で登場するのはまだ先のお話・・・・なんて思っていましたが、360度ムービーの場合はFHD環境で再生する場合は8K必須ですねえ。(これでもまだ少し解像度が足りないように感じます)

満足な画質で360度ムービーを視聴したい場合、さらに倍くらいの解像度が必要なのかもしれません。

HDR10ムービーの再生

以下は、HDR10ムービーを「VLC Media Player 3.0」と「HDR未対応の再生ソフト」で 再生し、スクリーンショットで比較したものです。

VLC Media Playerのインストール方法1
▲クリックで拡大
モニタがHDRに対応していなくても、VLC Media Player が HDR動画を適切な輝度に調整して再生してくれます。
※再生テストに使った動画はこちら
the_world_in_hdr_in_4k_hdr10_220686288_[HEVC+HDR]_UHD_4K on Vimeo

H.265/HEVC 4K HDR10
ITU-R BT.2020 / SMPTE ST2084
最大明度 1000.0 cd/m2
最小明度 0.0010 cd/m2
この動画の通常モニタver (ITU-R BT.709 / 製作者が意図した色合いを確認できる)
https://vimeo.com/246134976
https://vimeo.com/246128253

※HDR動画は、従来のモニタでは白トビ・黒潰れしてしまう極端な輝度情報も記録します。それを再生時にモニタや再生ソフトが最適な明るさになるよう調整し再生します。

補足

  • HDR写真の場合は (HDR合成、LDR最適化マッピング、ローカル トーンマッピングなどと呼ばれる技術で) 明るい部分、暗い部分を 「現像時」に従来のモニタで表示できる範囲に落とすような補正を行っています。
    • ローカル トーンマッピングはさらに極端な補正を行っています。
  • VLC 3.0 + 通常のモニタ でも HDR10動画の再生は可能。
    「LDR最適化マッピング」と同じ要領で 最適な明るさで動画を再生してくれます。

その他 VLC 3.0.0 の新機能、各機能の紹介

VLC 3.0 Vetinari - VideoLANから、個人的に気になった部分のみ抜粋。

コア部分

アクセラレーション

  • H.265/HEVC動画のハードウェアデコードに対応
    Windows: DxVA 2.0 以上、Direct3D 11以上が必要
    Android: OMX と MediaCodec が必要
    macOS / iOS 用の VideoToolbox にも対応 (h.264もOK)
  • Android版では MPEG-2およびVC1/WMV3のハードウェアデコードに対応
  • Linux用に新しい Video Acceleration API デコーダー追加

コーデック

  • OggSpots video decoder 追加
  • MPEG-1 & 2 audio layer I, II, III + MPEG 2.5 のデコーダーは libmpg123
  • 3Dオーディオの標準サポート

ビデオ出力

  • Windows 版
    Direct3D11出力に対応
  • HDR10
    Direct3D11 + Windows 10 Fall Creator Update 環境でサポート
  • デインタレース、クロマ補正、アジャストなど
    Video Acceleration API を利用したハードウェアアクセラレートが可能
    ※D3D9 と D3D11 で対応

    このページの主な情報は以上です。

    H.265/HEVC 動画のハードウェアデコードには DXVA 2.0 と Direct3D 11 が必要、HDR10 動画の再生には Direct3D11 + Windows 10 Fall Creator Update 環境が必要など、色々と条件はありますが、次世代動画の再生も徐々にサポートされ、VLC media player はかなりの所まで進化してきました。
    個人的には、HDR動画が再生できるようになった事をとても嬉しく思っています。

    サイト内関連ページ

    おまけ: 過去の主なバージョンアップ

    VLC2.0 で追加された新機能

    • Blu-ray の再生対応 (テスト段階 / 暗号化キーの複合機能なし)
    • 10bitコーデックに対応、
      10bit動画の再生 (カラースペースの変換) にOpenGLをサポート
    • HDオーディオのためにリサンプリングの変更
    • H.264、MPEG-4/Xvid、WebMの再生がマルチスレッド対応

    VLC1.1 で追加された新機能

    • GPUデコードに対応
    • DSPデコードに対応
    • Youtube URLを貼り付けることで、動画をVLC上で直接再生可能

    あとがき

    この記事は 新規記事として公開せず、過去記事のURLを流用しました。

    2010年7月に公開した記事 (VLC media playerの新バージョン、1.1.0がすごい!という記事) が、2018年になっても未だに 外部サービスを利用したおすすめ記事 (Google の関連コンテンツ表示サービス) に表示され続けるため、業を煮やして当時の記事を上書きした次第です。