GH4のV-Log Lで撮影した動画データの 「輝度信号が70~80 IRE」の部分を Premiere Proで「輝度信号 100~110 IRE」くらいに明るくし、スーパーホワイトを作ってみようという趣旨のページ。

※このページについて
色々検証しつつ書き終わってみると V-Log L とあまり関係ないページになった。
そして普通の動画でも、また普通に明るく補正するだけでも、「100 IRE以上の輝度信号」は簡単に作れる事が分かった。

はじめに:
Premiere Pro上でスーパーホワイトをチェックする方法

まずPremiere Proで「Lumetriスコープ」のウィンドウを開く。
「クランプ信号」のチェックを外しておく
「クランプ信号」のチェックを外すと、100IREを超えた部分の
波形が確認できようになる。

撮影したデータのLumetriスコープ図

同じシーンを別角度から撮影したもの。
撮影したデータのLumetriスコープ図
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左が「輝度レベル16-255でスーパーホワイトを含んだ撮影データ」
右が「V-Log Lで撮影したデータ」

この「右側のV-Log Lで撮影したデータ」を、「左のデータ」と同じ明るさに補正してみます。

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普通にLUTを当てた場合

100IREでクリップされてしまう。
普通にLUTを当てた場合
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どうやら「Lumetri」で普通にLUTを当てた場合、どんだけ明るくしても100 IREは超えないように作られているみたい。

  • LUTを当てたらスーパーホワイトが作れない・・・・という結果は残念ですが、通常は「最終出力のデータ」に100以上の輝度信号を含めるコトはないハズなので、まあ これはこれで上手く作られている感じですね(^_^;

試行錯誤してみる1

「Lumetri」を使う場合「ハイダイナミック」にチェックを入れると100 IREをオーバーした信号を出力出来るようになる事が分かった。
普通にLUTを当てた場合
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ただし「ハイダイナミック」にチェックを入れると「LUT」の項目がグレーアウトし使えなくなります。「クリエイティブ」の項目も使えなくなります。
そして「LUT」を利用した時とは完全に別のパラメータに設定しないと思ったような絵は出てこなくなりました。

こうなると、もう「Lumetri」を使う意味はあんまり無いんじゃないかな?( ・ω・ )

試行錯誤してみる2

RGBカーブ、プロセスアンプ、輝度&カーブなどを利用しても、単純に明るくするだけで100 IREをオーバーした輝度信号を出力できるようです。

例: V-Log L に RGBカーブを当てた場合
RGBカーブを当てた場合
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V-Log L素材も普通の素材も関係なし。
なんか深く考える必要は無かったみたいです。

こうやって色々試しているうちに、私の場合 V-Log L素材もLUTを当てるよりRGBカーブを使った方が早く補正できる&意図した絵に近づけやすい。あと、LumetriよりRGBカーブの方が処理が早い事が分かった(^_^;

※LumetriやRGBカーブの処理速度の話題は
 ・Premiere Proのプレビューや変換をできるだけ高速化するTips
 ・Premiere Pro CC の Lumetri(LUT) の処理速度メモ
 上記2ページで書いています。

あとがき

今まで「V-Log L にはLUTを当てなきゃダメ」という風に考えが固まってしまっていたけれど、なんかこれ他のエフェクト使ってテキトーに補正しても大丈夫なんじゃないだろうか。

次回更新では、このデータを「書き出し」する時の注意点についてメモを残す予定。

おまけ: V-Log L は75 IREでクリップする・・・・?

このページの冒頭の画像
撮影したデータのLumetriスコープ図
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この画像を見ると、「V-Log Lで撮影したデータ」は75 IREあたりでクリップされていますね・・・・?( ・ω・ )

  • ネット上の多くのページで「GH4のV-Log Lは 約80 IREでクリップされる」と説明されている。
  • パナソニック公式の文書だと (DVX200 のものだけど) 技術概要PDFでV-Log-Lは「完全にクリップされるスーパーホワイト: 80 IRE」と書かれている。
  • 私の機体では 5 IRE も暗くクリップされたのは何故なんだろうか?
     ・ISO 1600 で撮影したから? ISO 400で撮らないとダメ?
     ・それとも別の箇所で設定を間違えた?

この件はまた別の機会に調べてみます。